オフィス向けスマートロックの特徴や選び方、導入事例を紹介
オフィス向けスマートロックは物理鍵以外でも解錠でき、ICカードやスマホなど豊富な選択肢から自社に合った認証方法を導入できます。さらに、入退室管理システムと連携させればセキュリティに優れた入退室管理ができるだけでなく、勤怠管理と連携できるなど、業務管理にも役立ちます。
この記事ではオフィス向けスマートロックについて、主な機能やメリットとデメリット、選び方をご紹介します。
▼このコラムを読んでもらいたい方
- ・オフィスにスマートロックを導入したいとお考えの方
- ・スマートロックのメリットとデメリットを知りたい方
- ・スマートロックや入退室管理に興味をお持ちの方
▼このコラムを読んで得られる情報
- ・スマートロックの特徴
- ・スマートロックにおける家庭向けとオフィス向け製品の違い
- ・スマートロックのメリットとデメリット
1.オフィス向けスマートロックとは
スマートロックとは、従来の錠に電気通信機器を取り付け、スマホアプリや暗証番号といった物理鍵以外の手法で解錠・施錠を行うシステムのことです。鍵を持ち歩くことなく、建物への出入りをスムーズに行えるようになります。
工事を行わずにドアへ手軽に後付けできるモデルも多く、テナントとして賃貸契約をしているオフィスにおすすめです。自社ビルや賃貸物件でも許可が下りる場合は、鍵のシリンダーごと交換するタイプのスマートロックも導入できます。
昨今は、防犯や個人情報保護といった観点から、オフィスに堅牢なセキュリティの構築が求められており、オフィス向けのスマートロックを導入する企業が増えています。
1-1.家庭向けとオフィス向け製品の違い
スマートロックは家庭向けとオフィス向けがあり、機能面に違いがあります。
家庭向けのスマートロックは、玄関に後付け可能な専用機器を取り付け、スマホを使って遠隔で解錠・施錠を管理できます。玄関をオートロック化したり、子どもに鍵を持たせる必要がなくなったりするため、小さい子どもがいる家庭で人気です。
オフィス向けのスマートロックは、家庭向けよりもセキュリティ面が充実しています。エリアごとに入退室権限を設定できるため、物理鍵のように「鍵があれば誰でも入れる」といったリスクがありません。
スマートロックの権限を使い分けることで、より堅牢なセキュリティをオフィスに構築できます。
また、勤怠管理システムなど他のシステムと連携することで、労務管理を効率化できるのも特長です。一概には言えないものの、オフィス向けのスマートロックには以下のような特長があります。
- ・家庭向けよりセキュリティが充実
- ・ピッキングを防げるタイプも登場
- ・勤怠管理システムと連携して適切に労務管理ができる
- ・エリアごとに入退室権限を管理できる
- ・社員の属性や日時に応じて入退室権限を変更できる
- ・来訪者に向けて一時的に入退室権限を付与できる
- ・セキュリティを強固にできる
- ・物理鍵よりも効率的に管理できる
- ・勤怠管理システムと連携できる機種もある
- ・電池切れやシステムトラブルへの対処が必要
- ・導入・運用にコストがかかる
- ・対応しているドアの種類
- ・認証方式
- ・入退室ログ取得の有無サポート体制
- ・耐用年数
2.オフィス向けスマートロックのメリット
オフィス向けスマートロックには、以下のメリットがあります。
それぞれについて、順番に解説します。
2-1.セキュリティを強固にできる
オフィス向けスマートロックを利用すれば、オフィスのドアのセキュリティを高められるのがメリットです。具体的には、「部屋ごとに入退室権限を変更できる」「生体認証など複製が難しいモノで入退室を管理できる」「オートロック機能」などがあげられます。
オフィス向けスマートロックなら、部屋ごとに入退室権限を管理できます。社員の属性や、来訪者に応じて異なる入退室権限を付与できるため、セキュリティを高めたいエリアに入室されるリスクを低減できます。
また、社員証(ICカード)やスマートフォン、生体認証などで入退室を行えるため、物理鍵よりも複製リスクを減らし、セキュリティを高められるのがメリットです。
さらに、オフィス向けスマートロックは「オートロック機能」が搭載されたモデルも多く、鍵の閉め忘れといった致命的なヒューマンエラーも防げます。スマートロックの解錠履歴をデータとして保存できる製品であれば、万が一、トラブルが起きた際も当時の状況を確認することもできます。
2-2.物理鍵よりも効率的に管理できる
オフィス向けスマートロックなら、物理鍵を使わずに入退室を行えるのがメリットです。物理鍵は複数の従業員が使っているうちに紛失したり、退職した社員から回収できなかったりといったリスクが伴います。
一方で、スマートロックなら社員証(ICカード)やスマートフォンを使って認証できます。万が一、認証に使うICカードやスマートフォンを紛失しても無効化できるため、物理鍵よりも安心安全に管理できます。
また、優れた入退室管理機能のあるスマートロックなら、誰にどの部屋へ入退室権限を付与しているかを可視化しやすいのも特長のひとつ。鍵の管理が容易になるため、「紛失リスクや回収の手間が抑えられる」「入退室権限を管理しやすい」などのメリットがあります。
2-3.勤怠管理システムと連携できる機種もある
オフィス向けスマートロックなら、「いつ・誰が・どこに入室・退室したか」などの詳細なデータを取得できます。
勤怠管理システムと連携できる製品であれば、従業員がタイムカードを打刻する必要もなく、より詳細な勤怠状況を把握できるのがメリットです。そのため、従業員が打刻を忘れるリスクをなくし、従業員と管理者のどちらも効率的に勤怠管理を行うことができます。
3.オフィス向けスマートロックのデメリット
オフィス向けスマートロックには、以下のデメリットがあります。
それぞれについて、順番に解説します。
3-1.電池切れやシステムトラブルへの対処が必要
オフィス向けスマートロックのデメリットに、「電池残量の管理」「システムトラブル時の対応」があげられます。電池で動くスマートロックの場合、電池が切れると正常に動作できません。充電タイプも充電が切れると利用できなくなるため、このようなスマートロックでは電池や充電が切れないようメンテナンスする手間がネックです。
電池切れによって、鍵の締め出しといったトラブル事例もまれに見かけられます。
スマートロックの中には、電池残量が少なくなるとお知らせしてくれる製品も多くあります。スマートロックの管理者はなるべく早く電池を交換するなど、ルールの徹底が重要です。
また、カードリーダーやスマートロックのシステムトラブルが起こると、鍵の開閉に支障が出ます。スマートロックが機能しないと鍵の締め出しで業務がストップするリスクもあるため、緊急時にしっかりサポートしてくれるメーカーを選ぶことが重要です。
3-2.導入・運用にコストがかかる
オフィス向けスマートロックの導入には、「初期費用」「月額利用料」といった運用コストがかかります。
スマートロックは種類によって費用が異なります。例えば、両面テープなどで後付けするタイプは自社で設置することが多いため、初期費用が発生しない製品もあります。一方で、工事を伴うスマートロックは工事費用が発生するため、見積もりの際に全体でかかる費用を算出してもらうことがポイントです。
また、通常の錠前とは違って、スマートロックは専用の電子機器を活用します。長年活用していると、システム上どうしても動作不良を起こしてしまうリスクがあるのは否定できません。買取型のスマートロックでは、そのような経年劣化で、買い替え等のコストがかかる点に注意が必要です。
なお、オフィス向けスマートロックを取り揃えている「ALLIGATE(アリゲイト)」では、万が一の故障時も製品保証が付いています。ご契約期間中であれば、経年劣化による故障の際は、無償で機器交換を行うため、買い替えのコストを気にせずに安心してご利用いただけます。
4.自社に合うオフィス向けスマートロックを選ぶポイント
自社に合うオフィス向けスマートロックを選ぶ際は、以下の5つがポイントです。
それぞれについて、順番に解説します。
4-1.対応しているドアの種類
オフィスのドアは引き戸や開き戸だけでなく、自動扉やガラス扉といったさまざまな種類があります。スマートロックは設置方式によって取り付けられるドアの種類が異なるため、自社が設置したいと思っているドアに対応しているかが重要なポイントです。
賃貸物件のオフィスでは、両面テープなどで固定する後付けタイプのスマートロックが人気です。取り外しも簡単で、原状回復義務を果たしやすいため、将来的な退去を見据えたシーンにも役立ちます。
オーナーによっては、工事込みで錠前交換タイプの製品の導入も許可が下りるケースがあります。しかし、錠前交換は専門業者が対応する必要があり、費用が発生します。
4-2.認証方式
スマートロックの認証方法は以下のように複数あります。
ICカード認証…ICカードをカードリーダーにかざし、カードに内蔵されたチップの情報を読み取る方法。手持ちの入館証や社員証、交通系ICカードを活用できる
スマートフォン認証…個人または社用スマートフォンに専用アプリをインストールし、アプリの画面をタップして解錠する暗号認証…昔から使われる認証方法で、テンキーに暗証番号を入力して解錠する
生体認証…顔や声、静脈や指紋といった身体的特徴で解錠する方法
ICカードやスマートフォンによる認証は手持ちのカード・端末を使うことができ、既存ユーザーなら新規で発行する必要がありません。暗号認証は解錠に物理鍵やICカードが不要ですが、番号を知っていれば誰でも解錠できる点がデメリットです。
スマートロックの認証方法は上記のように複数あるため、自社に向いている製品を選びましょう。複数の認証方法を組み合わせる「多要素認証」ができるシステムなら、より安全なセキュリティをオフィスに構築できるのでおすすめです。
4-3.入退室ログ取得の有無
セキュリティの強化や勤怠管理業務の効率化を目的としてオフィスにスマートロックを導入する場合は、入退室ログを取得できるシステムがおすすめです。
特に、外部の人も頻繁に出入りするオフィスなら、防犯やセキュリティの観点から「いつ・誰が・どこに入退室したか」のログをデータとして保存できるため、トラブル時の状況把握に役立ちます。
さらに、勤怠管理システムと連携できれば、入退室ログを出退勤情報として利用できるため、人事・労務担当者の業務効率化に直結します。
4-4.サポート体制
スマートロックが正常に機能しなくなると、オフィス全体に大きな影響が出ます。トラブル時に電話や駆けつけ対応をしてくれるなど、手厚いサポート体制があるかどうかも大事なチェックポイントです。
導入社数No.1のオフィス向け入退室管理システム「ALLIGATE(アリゲイト)」なら、24時間365日どこでも手厚くサポートいたします。日本全国の駆けつけサポートにも対応しているため、トラブル発生時も安心してご利用いただけます。
4-5.耐用年数
スマートロックには耐用年数があります。耐用年数が長いスマートロックを選ぶことで、保守費用やメンテナンスの手間を抑えられます。
錠前メーカーである日本ロック工業会が定める電気錠の耐用年数は「7年」です。しかし、スマートロックメーカーが定める保証期間やバッテリーの寿命は7年とは限らないので、導入前に確認しておきましょう。
5.オフィス向けスマートロックの導入事例
最後に、オフィス向けスマートロックを導入した企業の事例をご紹介します。
オフィス向けスマートロックには、「セキュリティを強固にできる」「物理鍵よりも効率的に管理できる」「勤怠管理システムと連携できる機種もある」などさまざまなメリットがあります。
ここでは、導入社数No.1のオフィス向け入退室管理システム「ALLIGATE(アリゲイト)」をご導入いただいた事例をご紹介します。
5-1.物理鍵からの切り替えで運用管理の負担を軽減
三協フロンテア株式会社様は2019年に創業50周年を迎えられ、ユニットハウス事業やトランクルーム事業、レンタルスペース事業などを展開されています。
2022年に新オフィスを建設するにあたり、既存の物理鍵による管理や運用が課題になっていました。お客様やパートナー企業様など社外の方の利用も想定されていたため、配布の手間やセキュリティ面を不安視するスタッフの方の声が上がっていたとのことです。
そこで、課題解決のために入退室管理システム「ALLIGATE Lock Pro」をご導入いただきました。
タッチレス式のカードキーによって、運用管理の負担を大幅に軽減。新規利用者への鍵の発行も手軽になり、万が一鍵を紛失しても、データを書き換えるだけで入退室権限を無効化できるため、セキュリティを担保しやすい面もご安心いただけました。
使用エラーが起きた場合も該当者を把握しやすく、「正しい利用法を説明しやすい」「社員ひとりひとりのセキュリティ意識を高める効果も期待できる」といったお声もいただいています。
セキュリティ専業メーカーとして電気配線などのノウハウもあり、短期間でシステムを導入できた点も、高くご評価いただけました。
物理鍵で感じていた課題を解消できるとともに、自社製品と組み合わせた付加価値向上にも期待。
5-2.入退室ログの管理で社員のタイムコスト意識が改善
駐車場シェアサービス「akippa」を展開されているakippa株式会社様は、ご会社の成長とともに従業員の方が増加されたため、入退室情報の管理とセキュリティのバランスを保つことをご検討されていました。
オフィスは社内外問わず多くの方が出入りするため、入退室管理がセキュリティ上の課題でした。当時は入退室ログの管理機能が確立した製品が少ない上にできるだけ早い導入をご検討でした。
そこで、入退室ログの管理機能が確立し、コスト面でも魅力を感じていただいた「ALLIGATE Lock」をご導入いただきました。
入退室管理システムを導入いただいたことで、入退室と勤怠の時間を記録できるように。その結果、オンとオフの切替が明確となり、ビジネスタイムとプライベートタイムにメリハリが生まれたと感じられたそうです。オフタイムの体験を自社サービスへ活かそうとする動きも活発化し、自社サービスの品質向上にも好影響が出始めたとご満足いただけました。
また、導入時のスピーディな対応へのお褒めの言葉に加えて、「設置後の活用を見据えて、アドバイスベースでのレクチャーをしようという姿勢からホスピタリティの高さも感じられた」と嬉しいお声をいただいています。
入退室管理の徹底によるセキュリティ強化だけではなく 社員のタイムコスト意識にも好影響を及ぼした設置事例に。
5-3.短期間で社内の不平不満を一層
システムインテグレーション、クラウドサービス、プロモーションという3つの軸で主に医療業界向けの支援を展開する株式会社ミュートス様では、既存の電子錠のシステムに機能的な限界を感じて、よりスマートな施錠システムをお探しでした。
既存のスマートロックは両面テープで貼り付けるタイプを活用されていましたが、「入退室履歴がサーバーに上がらない」「解錠時の反応速度が遅い」「打刻時刻が正しく記録されない」といった問題があり、社内からも利便性向上に関する声が上がり、入替をご検討されることに。
そこで、既存のシステムが抱えていた60項目もの課題すべてを解決できる「ALLIGATE Lock」をご導入いただきました。
課題リストはほとんどの製品で対応可否が分かれていたものの、ALLIGATEの回答は「すべて対応できる」だったため、ほぼ即決でお選びいただけたとのこと。経営データの面から導入を考えていた勤怠管理システム「TeamSpirit」とAPIで連携できるALLIGATEにより、1分単位で正確な勤怠ログの取得も可能となりました。
本社だけでなく各拠点の状況も視認できるようになり、こまめなログ記録の実現で勤怠管理の複雑化にも対応。設置後の見映えの良さにについても高くご評価いただきました。
ご担当者様からは、「契約前に行われたビル管理会社主催の説明会に同席してくれ、フットワーク軽く寄り添っていただいた印象が強く残っている」とALLIGATEの対応をお褒めいただいています。
解錠・施錠の反応が遅い、ログが記録されない。 既存のスマートロックからALLIGATEへの刷新ですべての課題がクリアに!
6.まとめ
オフィス向けのスマートロックについて、その特徴やメリット・デメリット、導入事例をご紹介しました。
スマートロックは働き方改革やコンプライアンスの観点から、オフィスで欠かせないシステムとなりつつあります。一方で、スマートロックには種類や取り付け方法が複数あるため、自社に合った製品を選定することが重要です。
「自社オフィスにスマートロックを設置したい」「正確な入退室管理を行いたい」とお考えのご担当者様は、ぜひALLIGATEまでご相談ください。
セキュリティ専業メーカーが開発するクラウド型入退室管理システム「ALLIGATE」により、オフィスに不可欠な利便性の高い機能をご提供いたします。