COLUMN オフィスセキュリティ 入退室管理システム

サーバールームに入退室管理システムを導入する手順を解説

サーバールームなど、高いセキュリティを求められる場所に「入退室管理システム」を導入するケースが増加傾向にあります。生体認証など優れたセキュリティで、不審者の入退室を阻止できるため、防犯対策としても有効です。

また、「いつ、誰が入室して、いつ、誰が退室したのか」をログとして残せるため、万が一、トラブルが発生した時も原因を特定しやすくなります。

この記事では、サーバールームに入退室管理システムを導入するべき理由について、システムの選び方や導入する方法をご紹介します。

▼このコラムを読んでもらいたい方

  • ・サーバールームのセキュリティが心配な方
  • ・入退室管理システムに興味のある方
  • ・サーバールームに適した入退室管理システムの選び方を知りたい方


▼このコラムを読んで得られる情報

  • ・サーバールームに入退室管理システムを導入するべき理由
  • ・自社の環境に適したシステムの選び方
  • ・入退室管理システムをサーバールームへ導入する方法

1.サーバールームに入退室管理システムを導入するべき理由

サーバールームに入退室管理システムを導入するべき理由

十分な入退室管理が行えていないと、場合によっては重大なセキュリティインシデントが発生してしまう事例も少なくありません。社内システムを始め重要なデータが保管されているサーバールームには、入退室管理システムなどのセキュリティを確保する仕組みが大切です。

ここでは、サーバールームに入退室管理システムを導入するべき理由について解説します。

1-1.不正アクセスや情報漏洩などのトラブルを防ぐため

サーバールームに入退室管理システムを導入するもっとも大きな理由に、不正アクセスや情報漏洩などのトラブルを防ぐ目的が挙げられます。自社の独自システムを始めとして、サーバールームにさまざまなデータベースがある企業も少なくありません。

そのようなサーバールームに誰もが入室できる環境では、不正アクセスを防げなかったり、情報漏洩など企業としての信頼を損ねたりするトラブルが起きる可能性があります。

そこで、生体認証なども導入できる入退室管理システムなら、部外者の入室をシャットアウトできます。また、「共連れの防止(アンチパスバック)」機能の搭載された入退室管理システムなら、正規の認証者とともに入室した不審者を特定して「退室させない」仕組みづくりも可能です。

不審者の確保や情報漏洩の未然防止など、入退室管理システムを導入すればサーバールームのデータを大切に保護することができます。
総務省でもサーバー管理には生体認証(入退室管理システム)が推奨されており、セキュリティ対策を強化したい方にもおすすめです。

出典:総務省「サーバの設置と管理

1-2.入退室管理業務を効率化するため

入退室管理システムをサーバールームに導入すれば、入退室の履歴がデータとして残るのも導入すべき理由のひとつです。入退室履歴が残らないと知られていれば、入退室の権限を持つ社員が不正行為を働いてしまうかもしれません。

そこで入退室管理システムを用いて、「いつ、誰が入室して、いつ、誰が退室したのか」を明確なログとして残せば、不正行為を働こうとする心情の抑止効果が期待できます。

また、入退室管理業務を効率化できるのもメリットです。すべての入退室ログを入退室時に取得して自動的に保存するため、把握漏れも起きません。万が一のトラブルの際も、不正持出しが疑われる日時とともに入退室した人物を特定できるため、スピーディな問題解決を実現しやすくなります。

2.自社のサーバールームに適した入退室管理システムの選び方

自社のサーバールームに適した入退室管理システムの選び方

入退室管理システムをサーバールームに導入すれば、「部外者のシャットアウト」「入退室ログを自動的に取得」「不正行為の抑止効果」などさまざなメリットを得られます。とはいえ、すべての入退室管理システムが同一の機能を持っているとは限りません。

ここでは、自社のサーバールームに適した入退室管理システムの選び方について解説します。

なお、「ALLIGATE」(https://alligate.me/)ならサーバールームを始めとして、さまざまなシーンに最適な入退室管理システムをご利用いただけます。セキュリティエリアに応じたおすすめの入退室管理システムをご提案しますので、お気軽にご相談ください。

2-1.認証方式を確認する

サーバールーム向けの入退室管理システムを導入する時は、認証方式についても確認しましょう。入退室管理システムには主に「暗証番号」「ICカードや社員証」「スマートフォン認証」「生体認証」などの種類があります。

セミパブリックなどへの入退室エリアはICカードなどを使う事例が多いものの、サーバールームなど限られた人が入退室する場合は、「生体認証」に対応した入退室管理システムがおすすめです。

生体認証に対応したモデルなら事前に登録した特定の社員の生体情報をもとに入退室を制限できるため、ICカードやスマートフォン認証のように、拾得者が不正に悪用するリスクを低減できます。そのため、もっとも優れたセキュリティ環境を構築することが可能です。

2-2.扉への設置方法を確認する

入退室管理システムを導入する時は、サーバールームの扉についても形状を把握する必要があります。入退室管理システムの設置方法には大きく分けて2種類あり、「扉の錠前自体を交換」「サムターンに後付け」から選択が可能です。

特に、扉の錠前自体を交換する入退室管理システムは、物理的に鍵を開けられないシステムも登場しており、サーバールームのセキュリティを高めるのに役立ちます。

一方で、扉や周囲の壁形状によっては錠前を交換するのが難しいケースもあるほか、場合によっては工事が必要になることも。設置予定の扉により設置までの流れが異なる点にも注意が必要です。

2-3.機能を確認する

入退室管理システムを選ぶ時は、機能性の違いについても着目することをおすすめします。具体的には、「入退室履歴の確認」「共連れの防止機能(アンチパスバック)」「外部連携(勤怠管理システムなど)」が挙げられます。

入退室に生体認証を使えるだけでなく、履歴をデータとして保存できる入退室管理システムなら、万が一のトラブルが発生した時も発生前後の入退室者をスムーズに特定できます。

また、共連れによってサーバールームへ不正入出したユーザーに対し、自動的にアラートを鳴らして退室を防いだうえで不審者を確保する「アンチパスバック」機能も見逃せません。

ほかにも、勤怠管理など外部のシステムと連携できる入退室管理システムなら、オフィスへの入退室ログをもとに自動的に勤怠ログを取得できるなど、正確な出退勤データを保存できるメリットもあります。

入退室管理システムによって対応できる幅が異なるため、サーバールームへの設置を目的として選ぶのではなく、ほかの利便性に目を向けてみるのもポイントです。

2-4.サポート体制を確認する

入退室管理システムを選ぶ時は、サポート体制の充実している点も重要です。導入前のサポートはもちろん、運用中に起きたトラブルもスピーディに対応してくれるサポート体制なら、安心してシステムを運用できるメリットがあります。

ごくまれに、入退室管理システムがトラブルを起こしてしまう事例もあります。そのような時、「重要な施設に長時間入室できない」事態が起こると業務に大きな支障をきたす恐れもあるため、24時間365日のサポートを実施しているベンダーがおすすめです。

加えて、トラブル発生時に現地まで駆けつけるサービスを提供しているベンダーなら、万が一のトラブルにも安心して利用し続けられます。

3.入退室管理システムをサーバールームに導入する方法

入退室管理システムをサーバールームに導入する方法

入退室管理システムを有効活用するためにも、サーバールームへ導入する前に、いくつかのポイントを定義づけしておく必要があります。具体的には、以下のポイントに着目して導入を進めるのがおすすめです。

  • ・エリアごとのセキュリティレベルを定義する
  • ・サーバールームの入退室に関するルールを決める
  • ・入退室管理システムの設置・運用を行う


ここでは、入退室管理システムをサーバールームに導入する方法について解説します。

3-1.エリアごとのセキュリティレベルを定義する

サーバールームだけでなく、これを機にオフィス全体に入退室管理システムの導入を考えている場合は、セキュリティエリアごとにセキュリティレベルを定義しておくことをおすすめします。

具体的には、エントランスや移動経路などの共用部はレベル1、裏口や通用口はレベル2、サーバールームやセキュリティルームはレベル3…と、重要なエリアに応じてセキュリティレベルを設定します。

その後は、セキュリティレベルに応じた入退室管理システムを導入しましょう。例えば、エントランスのような場所では「ICカード」で簡単に入退室できるように、サーバールームやセキュリティルームは限られた人しかアクセスできないよう「生体認証」に限定するといった手法が挙げられます。

必要性の低い場所まで無理にセキュリティを高めてしまうと、移動が大変になってしまったり、社員が不満を抱いてしまったりと問題が起きてしまうのも事実です。基本的にはエリアごとにセキュリティレベルを定義しておき、人通りの多いエリアでは手軽さを重視することをおすすめします。

3-2.サーバールームの入退室に関するルールを決める

サーバールームに入退室管理システムを導入する時は、入退室自体のルール決めも行うのがベストです。具体的には、「入退室できる人の権限を細かく決める」「入退室データの保存方法を定める」などです。

大切なデータが詰まっているサーバールームには、不用意に人を入れないことが得策です。そのため、サーバールームに関連する業務を行っていたり、監督責任者だったりするなど、特定の人物に限って入退室ができるよう権限決めを行うことをおすすめします。

その際は、長時間作業時に誰が同伴者として入室するのかなども合わせて打ち合わせましょう。

また、入退室データをどのように保存するかも大切なポイントです。顔認証などを含む生体認証では、「個人のプライバシーが気になる」といった方も少なくないため、事前に納得の行く運用方法を考えておく必要があります。

NPO日本ネットワークセキュリティ協会でもサーバールームに関する標準として「サーバルームへの入退室は記録しなければならない」としているため、しっかりデータとして残すのがベストです。
出典:NPO日本ネットワークセキュリティ協会「サーバルームに関する標準

3-3.入退室管理システムの設置・運用を行う

入退室管理システムの運用方法や、サーバールームに求めているセキュリティレベルが定まったら、いよいよシステムの設置・運用を行いましょう。入退室管理システムはベンダー側が工事から運用スタートまでサポートしてくれる事例もあり、導入まで簡単な打ち合わせで済むケースもあります。

ただし、入退室管理システムは扉や周囲の壁に工事が必要なタイプもあるため、入居しているオフィスで工事が可能かどうか事前に確認しておくとスムーズな導入が可能です。工事をする時は立会をして、設置したい場所と相違がないか適宜チェックするのをおすすめします。

入退室管理システムの導入が終わったら、あらかじめ定めた入退室のルールをもとに社内で実際に運用を行うフェーズに入ります。その際は、「扉が開かなくなった時の対処法」「入退室のログが保存できなくなった時の連絡先」など、トラブル発生時のお問い合わせや対策のマニュアル化をお忘れなく。

4.まとめ

高いセキュリティが求められるサーバールームでは、監視カメラに合わせて誰が入退室したのかをデータとして保存できる入退室管理システムが人気を集めています。生体認証などを活用すれば入退室できる人を限定できるため、優れたセキュリティを担保できるのがメリットです。

とはいえ、入退室管理システムはオフィス内の環境変化や人員増加などによって、定期的に見直しをする必要があります。安定した運用をお求めの場合は、導入段階から手厚いサポートを提供してくれるベンダーを選ぶのがおすすめです。

「ALLIGATE(アリゲイト)」では、Web管理ツールでユーザー登録やログ管理を行える、クラウド型の入退室管理システムをご提供しています。堅牢なオフィスセキュリティを実現できるほか、勤怠管理システムとの連携で勤怠管理を効率的に行うことも可能です。

また、クラウド型システムによって複数拠点を一元管理できるのも魅力のひとつ。複数の部署があるなど、サーバールームのセキュリティを高めて情報漏洩といったトラブルを未然に防止したい方は、ぜひ「ALLIGATE(アリゲイト)」までご相談ください。

ALLIGATEでは24時間365日サポートを実施しているほか、日本全国の駆けつけサポートによって万が一のトラブルも現地で対応。長期にわたって安心してご利用いただけます。