セキュリティの高いシェアオフィスの特徴とは?具体的な対策も紹介
昨今、リモートワークやテレワークなど、新しい働き方にあわせてオフィスの在り方が見直されています。そのため、オフィスを持たずに働けるコワーキングスペースやレンタルオフィスを利用する方も増えつつあります。
なかでも、固定費を抑えて利便性の高いオフィスを利用できる「シェアオフィス」は特に評判です。とはいえ、セキュリティ面が気になってシェアオフィスの契約にいまいち踏み切れていない方も少なくないでしょう。
この記事では、シェアオフィスとは何か、利用するメリットやシェアオフィスにおけるセキュリティ対策を解説します。セキュリティの高いシェアオフィスを探している方に向けて、チェックすべき特徴についても解説していますので、あわせてご参照ください。
▼このコラムを読んでもらいたい方
- ・新しくシェアオフィスを解説しようと考えている方
- ・セキュリティに長けたシェアオフィスの特徴が知りたい方
- ・安心して働けるオフィス環境とはなにか気になる方
▼このコラムを読んで得られる情報
- ・シェアオフィスを利用するメリット
- ・シェアオフィスで行われるセキュリティ対策
- ・セキュリティを重視しているシェアオフィスの特徴
1.シェアオフィスとは
シェアオフィスとは、1つのオフィスを、複数の企業・個人が共同で利用するスペースを指します。1つのビルに複数のテナントが入る従来のオフィスとは違って、同じ階層・空間を共用する仕組みです。
シェアオフィスの利用料金は「常に一定の月額制」や「利用時間に応じた従量制」など違いがあるものの、オフィスを新設するよりも初期費用を大きく抑えられる点が特徴です。
シェアリングは世界的なトレンドにもなっており、シェアオフィスの利用数は今後も増加していくと考えられます。
一方で、シェアオフィスではデスクや椅子だけでなく、コピー機やネット回線なども共同利用するため、セキュリティ面が気になる方も少なくありません。
1-1.レンタルオフィスやコワーキングスペースとの違い
シェアオフィスと似た形態に、「レンタルオフィス」や「コワーキングスペース」があげられます。混同してしまう方も少なくありませんが、どちらも使用感が大きく異なります。
シェアオフィス・レンタルオフィス・コワーキングスペースの違いは以下のとおりです。
・シェアオフィス
主にオフィス空間をレンタルする。自分専用の場所はなく、フリーアドレスで利用できる。
・レンタルオフィス
主に専用の個室ブースをレンタルする。自社専用のスペースを確保できる。
・コワーキングスペース
オープンスペースをレンタルする。一時利用が可能なところも多いほか、利用者のコミュニケーションに重点を置く。
上記はまとめて「フレキシブルオフィス」とも呼ばれますが、厳密にはそれぞれ特徴が違います。
1-2.シェアオフィスやレンタルオフィスの市場は拡大中
シェアオフィスやレンタルオフィスなど、フレキシブルオフィス市場は年々拡大傾向にあり、今後も成長するとされています。株式会社日本能率協会総合研究所の調査によると、2020年度には800億円規模だった市場は、2026年度に2,300億円規模まで成長すると見込まれています。
出典元:PR TIMES「株式会社日本能率協会総合研究所が提供するMDB Digital Search」
シェアオフィスの市場が拡大傾向にある理由として、注目される理由は大きく分けて以下のとおりです。
- ・コロナ禍でリモートワークが普及
- ・ベンチャー企業の増加
- ・フリーランス人口の増加
リモートワークが普及した結果、オフィスの重要性が引き下がり、固定費削減のために自社オフィスを解約する企業も登場しました。その代わりに、サテライトオフィスとしてシェアオフィスを利用する企業が増加しています。
また、初期費用を大きく抑えて事業に集中したいベンチャー企業の増加や、多様化した働き方で増加したフリーランスの受け口として、シェアオフィスやコワーキングスペースの人気が高まっています。
今後もさらにリモートワークの需要は増加すると思われるため、シェアオフィスの市場規模が伸びていくことが予想されます。
2.シェアオフィスを利用する4つのメリット
シェアオフィスには、セキュリティの不安を打ち消す、さまざまなメリットがあります。シェアオフィスの利用で得られる代表的なメリットは以下のとおりです。
- ・費用を抑えられる
- ・家具や備品が揃っている
- ・会議室を利用できる
- ・他の利用者と交流できる
ここでは、シェアオフィスを利用する4つのメリットを解説します。
2-1.費用を抑えられる
シェアオフィスを利用するメリットに、「初期費用・月額費用」を抑えられる点があげられます。一般的なオフィスを契約するには、敷金・礼金などを支払わなければなりません。一方で、シェアオフィスでは敷金・礼金の概念がない施設も多く、初期費用を大きく抑えられるのがメリットです。
また、駅前のような好立地では、ワンフロア借りるだけでも月々のコストが高くなります。シェアオフィスやレンタルオフィスなら、必要最低限のスペースだけコストを抑えて利用できるため、コストパフォーマンスに優れているのも魅力です。
加えて、人員の増減にあわせて利用スペースを変更しやすいのもシェアオフィスが持つメリットのひとつです。事業の成長により社員数が変動しやすいベンチャー企業なども、移転費を抑えて利用できます。
2-2.家具や備品が揃っている
シェアオフィスを利用する大きなメリットに、「家具や備品が揃っている」点があげられます。オフィスデスクやチェア、複合機などのプリンターはもちろん、電話やネット回線などビジネスに必要なものがすべて揃っています。
万が一、家具や備品が故障しても、シェアオフィスの運営元が機材を交換してくれるため、メンテナンスの心配も必要ありません。また、内装にこだわったシェアオフィスも多く、おしゃれなオフィス空間で心地よく業務を進められるメリットもあります。
2-3.会議室を利用できる
シェアオフィスやレンタルオフィスを利用するメリットに、会議室などのミーティングルームが用意されている点があげられます。多くのケースで会議室が用意されており、施設によっては防音対策などセキュリティ面にも配慮されているのが魅力です。
特にフリーランスは、「クライアントと打ち合わせを行える場所がない」と頭を悩ませている方も少なくありません。自宅で打ち合わせを行う抵抗感や、カフェで情報漏洩などのセキュリティが気になる悩み事も、シェアオフィスの会議室で解消できるメリットがあります。
2-4.他の利用者と交流できる
シェアオフィスを利用するメリットに、ほかの利用者と交流できる点があげられます。コワーキングスペース寄りのシェアオフィスなど、利用者同士のコミュニケーションを図る場所では交流が特に盛んです。
オープンスペースやラウンジを通して社外の人と交流が生まれるほか、ちょっとしたやり取りからビジネスに繋がる事例も少なくありません。イベントやセミナーを積極的に開催するシェアオフィスもあり、交流を通して事業成長のチャンスを得られるメリットがあります。
3.シェアオフィスにおけるセキュリティ対策
シェアオフィスにはさまざまなメリットがある一方で、セキュリティ面に不安があり、利用にいまいち踏み切れていない方も少なくないでしょう。
シェアオフィスにおけるセキュリティ対策では、大きく分けて「不審者の侵入を防ぐ物理的セキュリティ」と「情報漏洩を防ぐネットワークセキュリティ」の2つがあります。
ここでは、シェアオフィスが取り組んでいる代表的なセキュリティ対策を解説します。
3-1.物理的セキュリティ対策
シェアオフィスにおける物理的なセキュリティ対策では、「防犯カメラ」「オートロック」「受付担当」など、目に見えるものに関するセキュリティがあげられます。不審者の侵入を防いだり、パソコンや書類が盗まれたりするリスクを最小限に抑えるためのセキュリティ対策です。
また、内部の空間をパーティションなどで区切って、パソコン画面を覗かれたり、会話を盗み聞きされたりするリスクを抑えたシェアオフィスも存在します。さらに、書類を安心して破棄できるようシュレッダーなどを用意したシェアオフィスもあります。
シェアオフィスの物理的セキュリティで気をつけるべきポイントは以下のとおりです。
- ・不審者の侵入
- ・パソコンや書類の盗難
- ・廃棄した書類から情報漏洩
- ・パソコン画面の覗き込み
- ・会話の盗み聞き
3-2.ネットワークセキュリティ対策
シェアオフィスにおけるネットワークセキュリティ対策では、「ネットワークへの不正アクセス対策」「偽のアクセスポイント(Wi-Fi)を監視」などがあげられます。例えば、SSIDと暗号化キーをセットで用意し、利用者のみがアクセスできるネットワーク環境などです。
また、正規のアクセスポイントを周知するなどの取り組みも行われています。シェアオフィスによっては偽のアクセスポイントを監視している施設もあり、利用者側が気をつければネットワーク面で被害に遭うリスクを大きく低減することができます。
シェアオフィスのネットワークセキュリティで気をつけるべきポイントは以下のとおりです。
- ・プリンターなどネットワークの非共有設定
- ・偽のアクセスポイントではないか確認
- ・フリーWi-Fiへの自動接続機能を停止
- ・通信が暗号化(SSL化)されていないサイトにアクセス
4.セキュリティの高いシェアオフィスの特徴8つ
情報漏洩などのリスクが気になる方は、セキュリティに優れているシェアオフィスの利用をおすすめします。また、シェアオフィスの開業を考えている場合でも、利用者の呼び込みにはセキュリティの充実が欠かせません。
セキュリティの高いシェアオフィスが持つ特徴は以下のとおりです。
- ・受付にスタッフが常駐している
- ・オートロックを採用している
- ・入退室管理をしている
- ・完全個室がある
- ・書類の保管や廃棄に配慮している
- ・複合機もセキュリティ対策をしている
- ・防犯カメラを設置している
- ・ネットワークセキュリティも対策している
ここでは、セキュリティの高いシェアオフィスの8つの特徴を紹介します。
4-1.受付にスタッフが常駐している
セキュリティに配慮したシェアオフィスでは、受付にスタッフが常駐しています。受付スタッフが常駐することで不審者の侵入を防ぎやすく、利用者のみが安心してシェアオフィスを利用できます。
また、人の出入りだけでなく、荷物や郵便物を受け取れるのもメリットです。受付スタッフが常駐していれば、目が行き届くため、迷惑行為を防止する効果も期待できます。
4-2.オートロックを採用している
セキュリティに優れたシェアオフィスでは、オートロック機能を採用している施設が多くなっています。オートロックが採用されたシェアオフィスなら、鍵の閉め忘れで部外者などの不審者が侵入しにくく、一定の安全性を確保できます。
また、セキュリティを重視する場合は、警備会社との連携も重要です。シェアオフィスによってはセコムなどの警備会社が機械警備しており、トラブル対策や利用者の安心感にも一役買ってくれます。
さらに、「ビルやフロアに入る鍵」「レンタルオフィスなど占有スペースに入る鍵」「キャビネットやロッカーの鍵」などエリアに応じて細かく鍵を分けると、一定のセキュリティを担保しやすくなります。
4-3.入退室管理をしている
セキュリティに配慮したシェアオフィスでは、入退室管理システムを活用して「誰がいつ入退室したか」をログとして残せます。不特定多数の人が出入りするシェアオフィスでは特に重要なセキュリティ対策となっています。導入するシステムによって、さまざまな認証方法を利用することができます。
例えば、ICカードを利用したカードキーや指紋・顔などの生体認証です。他には受付による紙媒体での入退室管理もあります。導入している入退室管理システムに応じてセキュリティが大きく異なるため、シェアオフィスを選ぶ時はしっかり確認するのがベストです。
大型ビルに設置されたシェアオフィスでは、入口で入退室管理が行われているケースもあります。
4-4.完全個室がある
セキュリティに配慮したシェアオフィスでは、完全個室を用意している施設もあります。Web会議などで安心して打ち合わせしやすいほか、覗き込みを防止して作業に集中しやすいのがメリットです。
とはいえ、一言で「個室」と言っても、パーティションで区切っただけの設備だったり、上部が開いていたりする個室も少なくありません。防音対策がされていない個室では会話の内容が漏れてしまう可能性もあるため、注意が必要です。
後ろや上から覗かれるリスクを抑えるためにも、セキュリティが気になる場合は完全個室があるシェアオフィスをおすすめします。
4-5.書類の保管や廃棄に配慮している
セキュリティを重視してシェアオフィスを選ぶ時は、書類の保管や廃棄に配慮しているかどうかチェックすることも大切です。シェアオフィスは1人1台のデスクを確保できないため、書類をデスクに放置したままにすることは避けるのがベストです。
自身が利用しない時でも収納できるよう、専用のロッカーやキャビネットがあると、安心して書類を保管できます。また、書類を廃棄する際の情報漏洩を防ぐため、シュレッダーが用意されているかどうかもシェアオフィス選びで大切です。
4-6.複合機もセキュリティ対策をしている
シェアオフィス選びでは、複合機のセキュリティ対策も重要です。複合機は共用となるため、稀に以下のようなトラブルが発生します。
- ・他人が出力した書類を持ち出してしまう
- ・印刷物を置き忘れてしまう
- ・複合機にデータが残ってしまい、不正アクセスされる
- ・複合機との通信に介入して情報を盗まれる
特に、複合機のデータに不正アクセスされたり、出力した書類が持ち出されたりしてしまうのは重大なセキュリティリスクです。
セキュリティに配慮したシェアオフィスでは、認証式の複合機を導入しており、データの漏洩を防ぐ取り組みが行われています。例えば、「利用者のICカードを直接かざさないと印刷が行えない」などです。
ただし、書類の置き忘れなどは利用者個人が対策する必要があるため、ご注意ください。
4-7.防犯カメラを設置している
セキュリティに配慮したシェアオフィスでは、防犯カメラを設置している施設が多くなっています。防犯カメラがあるだけでトラブルを抑制する効果が期待できるほか、万が一、問題が起きても、「誰が何をしたのか」を特定しやすいのがメリットです。
さまざまな企業がシェアするため、防犯カメラはほぼ必要不可欠といえます。昨今ではクラウドサーバーに録画データを保存し、過去数ヶ月にわたって録画データを参照できる防犯カメラもあるため、保存期間についてもチェックすることをおすすめします。
4-8.ネットワークセキュリティも対策している
ネットワークセキュリティ対策を取り入れたシェアオフィスでは、契約者だけが利用できるSSID/パスワードで無線LAN(Wi-Fi)を導入しているケースが多くなっています。ある程度の安全性を確保できるため、パスワードなどを守るためにも非常に重要です。
なかには、「リモート会議時に共用回線による通信速度の低下を受けたくない」といったニーズに応えて、個室に専用回線を引いているシェアオフィスもあります。
しかし、SSL通信などがされていないサイトに情報を入力すると、データが漏洩してしまうため注意しましょう。また、「ファイルとプリンターの共有設定」を有効にしていると、印刷物のデータが他人に盗み見されてしまうリスクがあるため、事前の解除が必要です。
5.シェアオフィスのセキュリティ対策ならアリゲイト
シェアオフィスには初期費用を抑えて人数の増減にも対応できるなど、スマートに事業を行えるさまざまなメリットがあります。一方で、多くの人が利用するシェアオフィスだからこそ、セキュリティ面が気になる方も少なくありません。
セキュリティ面に配慮していないと、情報漏洩などのトラブルを回避し、利用を敬遠されてしまう可能性があるのも事実です。そのような時は、シェアオフィスのセキュリティ対策を実現できる「アリゲイト」をご利用ください。
セキュリティの専業メーカーのクラウド型入退室管理システム「アリゲイト」では、「誰がいつ入退室したか」を確認することができます。ユーザー登録やログ管理を楽に行えるほか、複数拠点も一元管理できるのが魅力です。
導入後に経年劣化などの機材トラブルがあれば、無償で交換にも対応しています。日本全国の駆けつけサポートや24時間365日のサポート窓口もご用意しておりますので、シェアオフィスのセキュリティを高めたい方はぜひ気軽に「アリゲイト」までご相談ください。