CASE STUDY シェアゲートの共同開発で見えたALLIGATEの可能性。 今後の新規サービスの展開でも併走を期待!

akippa株式会社

業種
IT・メディア
事業規模
50~299名
URL
https://akippa.co.jp/

akippa株式会社様は、月極駐車場や個人宅の車庫・空き地・商業施設などの空きスペースを積極活用することで、土地の有効利用を促しながら、駐車場とユーザーをマッチングさせる駐車場予約アプリ「akippa」を展開されています。商業施設での利用はもちろん、個人宅の空きスペースなどでもオーナー契約が可能になるため、2014年のサービス立ち上げ以降、企業・個人を問わずオーナー登録をする方が急増し、注目を集めています。今回は、無人ゲート式駐車場をakippaサービス内で貸し出しを行うためのシェアゲート導入についてお話を伺いました。

代表取締役社長 CEO 金谷 元気様

取材にご協力いただいた代表取締役社長 CEO 金谷 元気様

世の中の困りごとを解決するために生まれたサービス

―空きスペースを利用して、貸主と顧客をつなげるという発想が生まれたプロセスを教えてください。

金谷様:駐車場予約アプリ「akippa」のサービスを展開する以前は、弊社はいわゆる営業会社で、携帯電話などの代理店を主事業としていました。中小企業向けのテレアポ営業を中心とした業務を5年間ほど続けていた最中、東日本大震災の影響もあり、数字を追い求めるだけでなく、世の中のためになる事業を自らの手で生み出すことができないかという思いが高まりました。例えば、誰もが当たり前のように使用する生活に欠かせない電気のような、世の中で必要不可欠なサービスを作りたい。2013年に「“なくてはならぬ”をつくる」を会社のミッションとし「世の中の困りごとを解決する」サービスを作ると決めました。最初は、全従業員で200近い「生活する中での困りごと」を書き出し、その中の一つが「駐車場は、現地に行ってから満車だと知る。」というものでした。確かに現地に行って満車だとしても他を探すのが大変。また駐車場渋滞によって事故も誘発されることが多いなど、社会的ニーズがあることに気づきました。さらに調べを進めてみると、駐車場のスペース供給側として、個人宅やマンションなど含め3,000万台ぐらいの空きがある。この両者のニーズをマッチングさせることで、世の中の困りごとをひとつ解決できるのではないかと考えました。これが「akippa」の発想の原点です。そこからエンジニアを探すなど態勢を固めて、2014年の4月にサービスをスタートさせました。

シンプルで汎用性が高くIoT利用の可能性に満ちている

―アートとの綿密な打ち合わせのもとでALLIGATEをベースにカスタマイズしたシステムを構築されたかと存じますが、主に力を入れた点を教えてください。

金谷様:ALLIGATEを導入する前、「akippa」は、最初、個人宅や月極駐車場との提携からオーナー契約の話を進めていきましたが、だんだんと都心のコインパーキングや商業施設の駐車場などに拡大をしていきました。そこで出てきた問題点がコインパーキングのゲートについてです。というのも、「akippa」ではスマートフォンで予約と事前決済を行うのですが、現地にはすでに備え付けられている料金回収ゲートがあるため、出庫の際にも現金支払いが必要で、二重払いになってしまうのです。この問題を解決するためには、スマートフォンの QRコードをかざすとゲートが開くようなシステムを新規導入する必要がありました。しかし、このようなシステムは国内にはまだ存在しておらず、シカゴやサンフランシスコで開催された海外ベンダーの説明会に足を運ぶなどして探していたのです。ただ、既存の海外のシステムでは、1台の導入について200万円近くコストがかかってしまう。それだと、私たちが実現させたい仕組みは作れたとしても、サービス展開のメリットがなくなってしまいます。そこで、再び国内に目を向け、これらの点を解決しながら製品を作り上げてくれるパートナーを探していたところ、アート様に出逢ったのです。特にある社員の方がおっしゃった「私たちに開けられない鍵はない」という言葉が大変頼もしく、また開発への協力体制や実現への自信も並々ならぬものでしたので、二人三脚で作り上げることができました。

大塚様:こだわったポイントというところでは、もうひとつ汎用性があることも挙げられますね。ALLIGATEの仕組みはシンプルですから、既存のゲート機器との連結設定がとても簡単でした。また、「akippa」では事業をさらに拡大するために、導入するシステムには拡張性の高さを求めていました。その点について、ALLIGATEはIoTデバイスとしての完成度が他社製品より高いと感じたことが導入の後押しになっています。

EnterpriseGroupグループマネージャー 大塚 ヤスヒロ様(※取材当日はリモート参加)

共同開発の果てに見えるさらに便利なカーライフ

―今後もALLIGATEをご活用いただくうえで、アートならびにALLIGATE自体に対してご要望がございましたらお聞かせください。

大塚様:近々、水戸にある某施設駐車場でアート様と実証実験を開始する予定です。その施設は年間数千件の利用頻度がありますが、時間貸しだけでなく、長期間使用可能なID・パスワードを設定し、年間パスポートとして利用するための研究を進めています。これにより月極や定期利用などとは異なる、今までにない「akippa」とユーザーの関係性を見出すとができるのではないかという期待が高まっています。

金谷様:「akippa」には、今、200万人のドライバーの方の登録情報がありますが、うち7割の方はマイカー所有者です。今は一社提供のカーシェアがスタンダードですが、将来、もっとカーシェアの文化が根付いた際には、アート様のシェアゲートの機能を応用して車のロックを開けられるようにするなど、「akippa」を使って個々のマイカーをシェアカー化するということもできるかもしれません。アート様およびALLIGATEとのパートナーシップの元で、このようなモビリティに関する夢が広がっていきますね。

運用中のシェアゲート。事前予約・事前清算のため入出庫は予約時に発行されるコードナンバーをテンキーで入力するだけ。

―「世の中の困りごと」に貢献する事業の一翼を担うことを誇りに、これからも二人三脚で夢の実現に向けて一歩一歩共に歩めればと思っております。お忙しい中、取材にご協力いただきありがとうございました。